100kHz-8kW 昇圧チョッパSAZZ試作

[1/10モデル試作器SAZZ] [各部回路動作検証結果] [効率測定結果] [論文]

スイッチング損失低減と高周波化

従来の変換器において生じるスイッチング損失は,周波数の増加とともに増大する傾向があります。図はおおよそのスイッチング損失の全体に占める割合を示したものです。

 

【従来の変換器】              【スイッチング損失と高周波化】

 

通常,低周波時はとても小さく,従来の変換方式で問題になることはありません。しかし,自動車に搭載したり,家電製品等に使用する場合は,設置スペースの制約があり,高効率高出力化が求められます。そのため,スイッチング損失をできるだけ低減し,高周波化して,出来るだけ小型化することが必要になります。そのような状況でも,ユーザの快適性と経済性を高めるために,ソフトスイッチングによる電力変換を行なって,高周波高効率高出力化を図ります。

100kHz-8kW 昇圧チョッパSAZZ

燃料電池車や電気自動車を駆動するには,100k[W]級の電力を変換する必要がありますが,このような大電力分野においてまだ決定的な電力変換方式は確立していません。従来の変換器は,「大きな損失が生じない周波数での電力変換」といった簡単なものが多く,利用できる高速パワーデバイスを最適に制御しているものではありません。これらの問題を解決するために,1/10スケールの100k[Hz]-8k[W] 昇圧チョッパSAZZ実験装置を試作しました。この装置を用いて,出力に対する効率の変化や回路各部動作波形を測定し,実機への実用化を目指した実験検証を行なっています。今後は,より実用性を高めた100k[Hz]-8k[W]順方向昇圧逆方向降圧チョッパや50k[Hz]-25k[W]双方向昇降圧チョッパの実験検証を予定しています。